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SonoSiteの活用現場・使用方法のご提案
帝京大学医学部附属病院 診療科長/柳川幸重先生
 
Sonosite180PLUSについて

片手で持ち運べる携帯型の超音波診断装置であるSonoSite180PLUSを初めて見た時は、小さな画面であり診断として用いることが可能であるか正直不安な印象であった。
  とくに、小児科における大きな使用目的の一つである川崎病の冠動脈の評価に有用であるかどうかが心配された。しかしながら、持ち運びの利便性に大きな魅力を感じ「スクリーニング的にでも」用いれば、患者サービスのために良いのではないかと考え学童検診としてSonosite180PLUSの運用を試みた。
  外来ブースは手狭であるが、この超音波診断装置は、片手で持てる大きさなので移動が楽であり、かつ、ベッドサイドの机の上におけるので、スペースをとらないという利点があった。
実際に使用してみると、小さな画面でありながらきれいに観察することが出来た。また、記録に関してもその場でカルテに添付する際にはプリンターを用いることで可能とし、また、内臓のHDに記憶させることによって保存しておきたい症例の画像は、後日PCと接続することによって電子ファイルとしてCDに保存することも可能とする。
 
対象と検査方法

 この使用経験から、学童心臓検診に試験的に用いてみることを提案し、都内某区の学童二次心臓検診場で使用することとした。この二次検診は、前もって記録された学童の心電図および心音図をもとに抽出された二次検診対象者を検診会場に集め、必要ならば追加検査を行い、小児心臓を専門とする医師の診察を受け、さらにワークアップが必要と判断された学童を、しかるべき専門医療機関に3次検診として紹介する仕組みになっている。今回は約700名の学童を2日にわたって検診した。超音波検査の対象としたのは、主に心雑音(+心電図異常)を持つものであり、特定の心疾患の除外の目的で検査した。
具体的には、心房中隔欠損、肺動脈弁狭窄、大動脈弁狭窄、肥厚型心筋症などの除外を目的として検査を行った。また、医療機関で経過観察されていない川崎病の冠動脈も記録した。超音波診断装置は2台であったため、超音波検査の適応となる全ての2次検診の学童の超音波を記録したわけではない。
 
 
装置のセッティング
学童検診の様子
 
SonoSite180PLUSの学童心臓検診での使用結果

除外診断する心疾患が想定されている場合、および、無害性雑音であることの確認の目的では、この超音波診断装置を用いた検査は非常に役立った。ほとんどの母親は胎児超音波検査を経験しているので、超音波検査への信頼感もあり、その場で検査して、「無害性雑音」と言われると大変安心し、かつ、この超音波検査を行ったことに対して感謝の言葉を述べて帰った。
2日間の2次検診を終えてみるとこの超音波検査の導入により、3次検診に送られる学童の数は、結果的に例年に比して半減したことが判明した。すなわち、多くの学童において学童検診において大切な早期に(30日以内)検診結果を出すことが出来たのは、検診サービスとして大きな成果であり、かつ、3次検診の受け入れ医療機関への負担を減らすことが出来た。
この結果から、可能ならば来年も2次検診に SonoSite180PLUSの心エコー検査を続けたいと考えるが、検診に対する予算が増えない限り、難しいとも思われるのが残念である。病院での心エコー・ドプラ検査は1000点つまり1万円であるので、スクリーニングとしてもある程度の予算が必要である。(検診医師が超音波検査に熟達していることも必要である。)
 
使用経験からみた
携帯型超音波診断装置SonoSite180PLUSの利点


1.検診現場では、この携帯性が非常に役立つ。実際、ソノサイト・ジャパン社はこの超音波診断装置を宅急便にて検診現場へ送っていた。従来からの機器ではこのようなことは不可能である。このように、可搬性に優れているため機器移動による制約を受けることがない。
2.場所をとらないので、検診場の設定を大きく変更する必要はない。
3.ニーズの多い冠動脈エコーに関しては、ほぼ満足できる画像を描出出来た。
4.検査によって何を診断・除外するかの意識を持って検査すれば、大変有用である。
 
SonoSite180PLUSの限界

1.画面が小さいこと、とくにカラーにしたときに描出可能な表示範囲がフレームレートを優先するために狭くなることが欠点である。従来の標準的な大きな超音波診断装置を用いた検査でも同様であるが、特にSonosite180PLUSを用いるときは、診断ポイントに対して明確な目標意識がないと使用しにくい。
2.パワードプラであるために、速度の速いところがモザイクにならないので、その点に関しては視認性が低い。
3.検診はスクリーニングであることを意識して初期のルールアウトとして用い、心疾患が疑われた場合は従来型の超音波診断装置によって最終診断する必要がある。